さっちの雑記帳

今のところは現代ギリシア語に関する記事を上げると思います。

Mac上のChromeで全角キリル文字・全角ギリシャ文字を駆逐する(2022年版)

概要

Mac上のChromeでロシア語やギリシャ語が全角で表示される人権侵害が起きていましたが、Advanced Font Settings という拡張機能で人権を取り戻すことに成功しました。以前はこの記事(2019年投稿)の通りにやれば大丈夫でしたが、Chrome のバージョンによってはUIが異なり、設定ボタンが消滅しています。この記事では 2022/03/29 現在最新版の Chrome を使用している人向けに人権の取り戻し方を説明します。(所要時間 2~3 分?)

環境

macOS Catalina (ver. 10.15.7)

・ブラウザ:Chrome (ver. 99.0.4844.84)*1

実施内容

Chrome 標準のフォントがヒラギノ角ゴやら明朝やらになっているせいでキリル文字ギリシャ文字が全角で表示されるようです。Advanced Font Settings という拡張機能を使って文字種ごとにフォントを変え、全角キリル文字・全角ギリシャ文字を駆逐します。

もしやり方が分からない/できなかったなどありましたら、@mc_such までご連絡ください。

・まず Advanced Font Settings をインストール*2

・ブラウザ右上の拡張機能ボタンを押して「拡張機能を管理」を押す*3

Advanced Font Settingsの欄で「詳細」をクリック

・「拡張機能のオプション」をクリック

すると以下のような画面が出るはずです(下図)。

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Advanced Font Settings のオプション画面。

この Script で文字種を Cyrillic とし、Standard, Serif, Sans-Serif の欄で例えば Arial を選択します(下図)*4

Script で Cyrillic を選択した画面。

あとは一番下にある Apply settings をクリックします(下図)。

Apply settings の位置。

これで全角キリル文字を駆逐できたはずです。例えばロシア語のWikipedia記事で確認してみましょう(下図)。

人権の夜明けを感じます。

ギリシャ語もバルバロイ向けの全角(表示になっているので市民権を得ておきます。Script で Greek を選択、fonts をそれぞれ Arial とし、Apply settings をクリックします(下図)。

Script で Greek を選択した画面。

こちらでも人権が開闢し、ギリシャの風を感じられるようになりました。

ギリシャ語のWikipedia記事において市民権を獲得した様子。

設定は以上です。もし設定できなかったなどありましたら @mc_such までご連絡ください。

他の記事

現代ギリシア語ニュースの翻訳チャレンジやった記事があるのでよければ見てってください

14億光年の壁

地球の大気「何って……月まで届いてるだけだが?」 

参考文献

[1] Mac で Chrome のロシア語とかのフォントを修正

 

*1:本記事での設定を行ったのはver. 99.0.4844.83でしたが、そこでも問題なく設定できました。(本文に戻るには青い *1 をクリック/タップしてください。)

*2:怪しい拡張機能でないか「Advanced Font Settings 評判」でググってみましたが、2022年3月29日現在特にそういった情報は見当たりませんでした。

*3:拡張機能ボタンの位置が分からない方は新しいタブを開いて chrome://extensions/ と打ってみてください。管理画面に飛べます。

*4:この記事 [1]では"Standard" と "Sans-Serif" には Helvatica, "Serif" には Georgia を設定していましたが、その辺はお好みで調整してください。

複数件の引用をしている同根図

引用が複数あってツイートにまとめにくい同根図をここに置いておきます。

 

πιπέρι 胡椒

↑ [1]

古希 πέπερι

┗羅 piper [2]

 ┗古英 pipor [2]

  ┗現英 pepper [2]

 

[1] https://www.greek-language.gr/greekLang/modern_greek/tools/lexica/triantafyllides/search.html?lq=%CF%80%CE%B9%CF%80%CE%AD%CF%81%CE%B9&dq=

[2] https://www.etymonline.com/search?q=pepper

マイナス×マイナス=プラスの一行証明

なぜ $(-1)\times(-1)=1$ なのか、負の数を習った際疑問に持つ人は多いですよね。「後ろを向いてから後ろに進んだら前進」とかでふんわり説明されることも多いですが、ちゃんと数学的に証明できるものです。もっと簡潔な証明もありますが、今回は $(-1)×(-1)=\cdots =1$ と、イコールでつなげるだけで $(-1)\times(-1)$ を $1$ にしたいと思います。かけ算をガウス平面上の回転と見なすことはせず、実数(や整数)のみでも通る論理で証明したいと思います。ひとまず証明をお見せしてから詳しい説明をしますね。

証明

\[\begin{array}{l} & (-1) \times (-1) \\ =& 0+(-1)\times(-1) \\ =& \{1+(-1)\}+(-1)×(-1) \\ =&1+(-1)×1+(-1)×(-1)\\=&1+(-1)\times\{1+(-1)\} \\=&1+(-1)×0 \\=&1+0 \\ =&1. \end{array}\] 

使う条件の説明

上記証明で使う前提条件としての式は以下四つです:

1. $n+0=n$

2. $n\times 1=n$

3. $n+ (-n) = 0$

4. $l \times (m+n)=l \times m + l \times n$

条件1~3はそれぞれ $0$, $1$, 負の数の定義です*1

$n\times 0=0$ も使ってはいますが、性質として仮定しません。上記の性質のみから導出できます。そのワンライナー証明も注釈に書いてみたので、気になれば見てってください*2

さて、上記の式を使って証明を一行一行追っていきましょう。

詳解

\[ \boxed{  \begin{array}{l} & (-1) \times (-1) \\ = & \textcolor{red}{0} +(-1)\times(-1) \end{array} } \]

条件1 ($n=n+0$) を使って $0$ を出現させました。

\[\boxed{\begin{array}{l} & \textcolor{red}{0}+(-1)\times(-1) \\ = & \textcolor{red}{\{1+(-1)\} }+(-1)×(-1) \end{array}} \]

条件3 ($0= n+ (-n)$) を使い $1$ と $-1$ を出現させました。

\[\boxed{\begin{array}{l} &\{1+ \textcolor{blue}{(-1)} \}+(-1)×(-1) \\ = & 1+\textcolor{blue}{(-1)×1}+(-1)×(-1)\end{array} }\]

条件2 ($n\times 1=n$) を使って $1$ を出現させました。

\[\boxed{\begin{array}{l} &1+\textcolor{green}{(-1)×1+(-1)×(-1)} \\ =& 1+\textcolor{green}{(-1)\times\{1+(-1)\} }\end{array} }\]

条件4 ($l \times m + l \times n =l \times (m+n)$) を使い第二・第三項をまとめました。ここで $(-1)\times (-1)$ が解体(?)されましたね。

\[\boxed{\begin{array}{l} &1+(-1)\times \textcolor{orange}{\{1+(-1) \} } \\ = & 1+(-1)×\textcolor{orange}{0}\end{array} } \]

$n+ (-n) = 0$ でまとめていきます。もう"見え"ましたね。あとは $n\times 0=0$ と$n+0=n$ を使って証明終了(๑╹ω╹๑) 

\[\boxed{ 1+(-1)×0 = 1+0=1 } \]

終わりに

以上は整数で話をしましたが、特に $l, m, n$ が整数であることは要求していません。有理数でも実数でも複素数でも全く同じ話ができます。というか乗法(かけ算)の可換性も(多分)要求してないので数である必要すらなく、行列など一般の環でも同じ話ができると思います。単位行列 $I$ に対して $(-I)^2 = I$ とか。まあ、だから何だという感じですが……。

今回の記事は「数字であそぼ。」という漫画で見た証明をワンライナーにできないかなァ~と考えたものです。

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$(-1)\times(-1)=1$ の"素直な"証明。絹田村子 著「数字であそぼ。」3巻122pより。

上記の漫画はこちら↓

 

*1:他に、一応結合律$(a+b)+c=a+(b+c)$も使いますね。詳解節の青字と緑字の行の間です。

*2:\[\begin{array}{l} & n\times 0 \\=& (n\times 0) + 0 \\=& (n×0)+{(n×0)+(-n×0)}\\=&n×(0+0)+(-n×0) \\=&(n×0)+(-n×0) \\=&0. \end{array}\]なお、$-n\times 0$ は $n\times0$ の和に関する逆元、つまり\[ n\times0 + a = 0 \] を満たす $a$ です。

地球の大気「何って……月まで届いてるだけだが?」

 

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さっち(@MC_such)のギリシア語翻訳チャレンジ二本目です。今回はギリシア語版euronewsさんの Η ατμόσφαιρα της Γης φθάνει πέρα από το φεγγάρι という記事の翻訳に挑戦します(わからなかったところは訳注に書いてありますので、もし何かご存知でしたら教えていただけると幸いです)。

では、以下訳文です。

訳文

科学的な推定によると、地球の大気の外部は月の遥か向こう、地球-月間のおよそ2倍ほどの距離に広がっています*1

欧州・米国共同の太陽・太陽圏観測機SOHO (Solar and Heliospheric Observatory) が行った長期観測の新規解析によると、地球を包むガス層は63万キロメートル 、すなわち地球直径の約50倍の距離にまで広がっているようだと欧州宇宙機構が発表しました*2*3

「基本的に月は地球の大気の中を動いています*4*5。探査機SOHOによる20年前*6の観測から『ホコリを払う』まで、私たちはそれに気がついていなかったのです*7*8」とロシアの Space Research Institute 所属の研究リーダー*9 Igor Baliukin は述べています*10

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©ESA
SOHOによるジオコロナ観測の模式図です。SOHOはラグランジュ点近くに配置されているようです。

外気圏では地球の大気が宇宙と接し、ジオコロナと呼ばれる水素原子の雲が存在しています。SOHOのSWANという観測機器は水素の「署名」痕跡*11を検出し、非常に希薄ではあるものの、大気が月の更に向こうまで広がっていることを明らかにしました。

月面での最初の望遠鏡は1972年の「アポロ16号」ミッションの宇宙飛行士によって設置され、地球を包み紫外線で輝くジオコロナの写真を撮りました*12。しかしながら、月が実際はジオコロナの中にあると理解されてこなかったのです。

水素原子は太陽光のうち、特定波長の紫外線(ライマンα線)を吸収・放出します*13。こういった光は地球の大気によって吸収されてしまうため、宇宙からしか見えないのです。

SOHOはジオコロナからのライマンα線を「捕まえる」ことができます。その計測によると、地球から六万キロメートルの距離では1立方メートルあたり水素原子70個、月までの距離では0.2個/m3という密度であることが明らかになりました。

科学者らによるとその粒子が将来月に配置される人員の脅威にはならないとのことです。しかしながら地球のジオコロナ、即ち希薄な水素の霧が、月表面や月近くでのサテライト望遠鏡による天体観測に影響を及ぼすかもしれません。

 

補足

原論文の要約だけ読めたので内容の補足を少しだけ。

「地球の大気が月の向こう側まで広がっている」と言っても、星間空間は別に完全な真空ではないので、どこまでもうっすら広がっているわけです。「63万キロメートル」まで広がっているというのは、ある程度の密度がその辺まで保たれているということのようでした。原子はある波長の光を吸収できますが、水素原子が吸収する波長を見てその吸収強度が5レイリー*14以上になるのが63万kmということでした。

翻訳チャレンジ一本目はこちら→14億光年の壁

終わりに

大気「広がってる範囲がおかしいって……狭すぎって意味だよな?」


 


 


 

 

*1:ちなみに「月」という単語はφεγγάριだったりΣελήνηだったりしますし、地球はΓηだったりπλανήτης μαςだったりします。最初に出てきた「地球」はπλανήτης μαςですが、「私達の惑星の大気の外部は」だとかなりくどいので簡単に「地球」としました。原文だと属格が三個も並んでるわけですが、Το εξωτερικό μέρος της ατμόσφαιρας του πλανήτη μαςと、少なくとも「の」が並んでるわけではないのでくどくないということなのかもしれません。というかもしここで地球をΓηで表現しようとしたらτης ατμόσφαιρας της Γηςでτηςが被ってしまうのでわざわざτου πλανήτη μαςと書いたのかもしれませんね。単語の被りを回避するために性の異なる名詞を使うという技術なのだとしたら興味深いです(๑╹ω╹๑)

*2:「地球を包む」 はτυλίγει τη Γηでしたが、「地球直径」はη διάμετρος του πλανήτη μαςでした。後者がΓηςでないのは、一文の中で同じ単語を使うのを回避しようとしたのかもしれません。

*3:ちなみにここでも「の」の連続を回避するため「SOHO (...) が行った長期観測の新規解析」と訳しましたが、原文では "μια νέα ανάλυση παλαιότερων παρατηρήσεων του εωρω-αμερικανικού ηλιακού παρατηρητηρίου SOHO" と属格地獄です🤪

*4:「動く」が中受動態で一瞬頭がおかしくなりそうだったんですが、自分自身に関わる動作なので再帰用法ということでしょうか(福田千津子著「現代ギリシア語文法ハンドブック」126p参照)。再帰用法を思い出すまで宇宙猫みたいな顔してたんですが、古典語にも中動相による再帰がありますし(田中・松平「ギリシア語入門」53p参照)、どの時代にも見られる使い方ということなんでしょうか……。

*5:「地球の大気の」はτης ατμόσφαιρας της Γηςで定冠詞が被っていますが、直前の文の末尾でτου πλανήτη μαςを使ってしまっているので逃げられなかったんでしょうね。

*6:原論文の要約だけ見られましたが、1996~1998に観測されたものらしいです。

*7:εωσότουって単語が出てきてどの辞書にも載ってなかったんですが、謎のサイトがuntil whenだと言ってました。el.wiktionaryによるとωσότουがコイネーでは ἕως ὅτουだったらしいですが、外国人のインタビューでの発言を突然15世紀の綴りで書いている……???

*8:「探査機」は原文で "διαστημοσυσκευή" という単語で、辞書での訳は見つけられませんでしたが Science Wiki に "space probe" とありました。それに見た感じ διαστημα「宇宙」+ συσκευή「装置」っぽそうなので、文脈と合わせて探査機かなと思いました。上記 Science Wiki にはΔιαστημική Συσκευήという表現も載ってました。

*9:原文はο επικεφαλής ερευνητής ですが、「研究リーダー」という訳が適切かはよくわかりませんね……。「論文の筆頭著者」という書き方ならより正確だと思いますが……。ちなみに ResearchGate を見ると職位はJunior researcherの博士学生のようでした。

*10:原文ではδήλωσεでアオリスト過去ですが、「言いました」や「述べました」だと日本語に違和感があったので「述べています」にしておきました

*11:署名」は原文で «υπογραφή» となっておりそのまま訳しましたが、比喩としてはかなりわかりにくい気がします。水素があると光強度分布の中で特定波長の光だけがグッと減るわけですが、分布のグラフ上で爪跡を残すことを「署名」と喩えたのでしょう。英語でsignatureと言われるようです。原文では «υπογραφή» となっているので直訳すると「署名」ですが、より適切っぽそうな訳として「痕跡」(アルクより)に書き換えました(2021/03/12追記)。

*12:「撮りましたた」は原文で " είχε τραβήξει" でしたが、辞書での説明が見つかりませんでした……。ググるτραβάω screenshotなんて表現も出てくるので合ってそうですが、どなたか辞書での記述を見つけたら教えてくださいm(_ _)m

*13:この文はかなり意訳しました。原文は "Ο Ήλιος αλληλεπιδρά με τα άτομα υδρογόνου μέσω ενός συγκεκριμένου μήκους κύματος του υπεριώδους φωτός (γνωστού ως Lyman-alpha), το οποίο τα εν λόγω άτομα μπορούν τόσο να απορροφήσουν όσο και να εκπέμψουν." で、直訳すると「太陽光は特定波長の紫外線(ライマンα線として知られています)を通して水素原子と相互作用しており、前述の原子(=水素原子)は(特定波長の紫外線を)吸収も放出もできます」という感じですね。ちなみに文頭の "Ο Ήλιος αλληλεπιδρά με τα άτομα ..." を見て「太陽が原子と相互作用……???」と再び宇宙猫になりましたが、WordReferenceによると太陽光の意味があるようでした。

*14:レイリーというのは光強度の単位で、天の川が1000レイリーほどだそうです (Wikipedia)。

14億光年の壁

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"South Pole Wall (SPW)" などの密度分布。SPWには黒いワイヤフレームが重ねられています。D.Pomar`ede,R.B.Tully,R.Graziani,H.M.Courtois,Y.Hoffman, andJ.Lezmy,Astrophys.J.897,133(2020), arXiv:2007.04414 [astro-ph.CO]より。

この記事はさっち(@MC_such)の翻訳チャレンジの記事一本目としてギリシャ語版euronewsさんの記事を翻訳したものです。記事のタイトルを直訳すると「巨大な"南極の壁"」*1になりますが、「14億光年の壁」とした方がなんかカッコいいかなと思い、こんなタイトルにしました。

訳文

天文学者らが尋常ではない二つの発見をしました*2。発見されたものの一つは星間空間の奥深くにある、極端に丸く辺縁が明るい謎の四つの物体。もう一つは14億光年もの長さに広がり「南極の壁」と命名された大規模構造でした*3*4*5

二つの電波望遠鏡(オーストラリアのASKAPとインドのGiant MetreWave)によって発見され、光学・赤外線・X線では見えない四つの環状の物体は、今日までに発見されたどの天体とも似ていません。「奇妙な電波円」と命名され、天文学者らは依然として地球からの距離を推定できていません。差し当たりネット上のarXiv*6で公表されており、また天文学系の雑誌 "Nature Astronomy" で出版待ちです*7

その性質に関して一つのありうる説明として、銀河系外宇宙からの衝撃波の残骸や、どこかの電波銀河*8の活動というのが考えられています。しかしながら、天文学者らがこれまで出会ったことのない何か新しい現象に関係しているかもしれません。

一方宇宙の三次元マップは、地球の空の最南端近くにある、今日まで発見されていない宇宙の大規模構造物のうちの一つを明らかにしました。それは14億光年*9にわたって広がり数十万個の銀河を含む、信じられないほど巨大な「壁」だと考えられています。「南極の壁」と呼ばれる物はこれまで見えていませんでしたが、それは壁の大部分が天の川銀河によって隠れているためでした。

この新たな「壁」は、現在知られている中で六番目に巨大な構造物である「スローン・グレートウォール」の大きさに匹敵します。宇宙の大規模構造のうちで最大なのは「ヘルクレス座・かんむり座グレートウォール」で、約100億光年、つまり現在観測可能な宇宙の十分の一*10ほどの範囲に広がっています。

Live Science によると、この新たな宇宙の大規模構造に関しての発表は、パリ・サクレーにあるInstitut de Recherche sur les Lois Fondamentales de l’Univers所属の研究リーダーDaniel Pomarede博士により "The Astrophysical Joucal" にされたとのことです*11。依然としてこの新たな「壁」がどこで始まりどこで途切れるのか定かではなく、より大きなスケールでこの宇宙の地図を作った時初めてより良い洞察*12を得るでしょうと研究者らは述べました。

終わりに

以上、翻訳チャレンジでした。

翻訳チャレンジ2本目もあるので、よければ見てってください↓

地球の大気「何って……月まで届いてるだけだが?」

なお、論文内容の動画による解説ページがありました。宇宙すごい(こなみ)

*1:「南極の壁」というのは、元論文のタイトル "Cosmicflows-3: The South Pole Wall" 由来でしょう。

*2:原文は "Δύο ασυνήθεστες ανακαλύψεις έκαναν οι αστρονόμοι." で、OVSになってますね。現代ギリシア語はタイトルや冒頭の文でOVSが多いような気がします。ロシア語も驚いた時には動詞が最初に来るとか母語話者から聞いたの思い出しました。

*3:"αφενός ...αφετέρου ..." を「一方は…、他方は…」と解釈しましたが、あまり自信がないです……。

*4:日本語の都合で「発見されたのものは」みたいな構文にしてますが、原文では「(天文学者らが)四つの物体と大規模構造を発見した」という形になっています。

*5:ちなみに第一文の「発見をした」は原文ではανακαλύψεις έκαναν, 第二文の「発見(した)」はΒρήκανと違う単語を使っていました。近くに同じ単語を置かないようにしていますねェ~。

*6:理工学系の論文は査読前にarXivというサイトで先に公表するのが一般的です。

*7:2020/7/10に The Astrophysical Journalというところで出版されたそうです。

*8:電波銀河というのは、通常の銀河よりも高強度の電波を放出する銀河のことらしいです(天文学辞典より)。

*9:1光年はおよそ9兆キロメートル。

*10:要出典。日英でのwikipedia記事には観測可能な宇宙の半径の10.7%という数字は書いてあるものの、根拠や引用が書いてありません。この論文によると観測可能な宇宙の直径が780億光年らしいです。ヘルクレス座・かんむり座グレートウォールの長さ(長軸)は100億光年だが幅(短軸)は70億光年のようなので、幅が観測可能な宇宙の直径の1/10だという解釈は可能。

*11:原文には "με επικεφαλής τον κοσμογράφο δρα (人名)" という部分がありましたが、δραの部分の意味がわからず訳出は断念……。誰か教えてください……。 δραは δρ / Δρ (Dr.) の属格・対格だったそうです。くろつぐみさんありがとうございましたm(_ _)m(2021/03/11追記)

*12:「洞察」のところは原文ではεικόναになっており、「より良い絵って何じゃ???」ってなりましたが、比喩的にinsightの意味になるそうです (WordReferenceより)。